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急性喉頭炎(クループ)
急性喉頭炎は咳の症状から始まり、しだいに声がかすれて犬の遠吠えのようなせきになります。まれに夜間、容体が急変し、呼吸困難になることもあるので、しっかりと子供の様子を観察する必要があります。
喉頭と咽頭の構造の違いは、咽頭から食道と空気が流れる喉頭、声帯に二つに別れます。
喉頭は呼吸に関係するとこに関係します。
初めは乾いたせきから始まり、苦しそうなせきになりひどくなると息を吸うときにゼーゼー、ヒューヒューとなります。せきの特徴は犬の遠吠えとそっくりです。
クループの症状の特徴を説明します
- パラインフルエンザウイルス、RS ウイルスによることが多いです。(流行性、季節性)外来で診察していると、ある時期に急にクループの症状を持つ子供さんが多くなります。
- クループの症状が、どうやら家族性(喉頭の腫れやすさ?)があるようで、家族でこれまで同じクループ症状があった方は、注意が必要です。
- 次の感染でやはり同じ症状がでることもありますが、症状は成長つれて軽くなるようです。(繰り返す)
- 症状の注意点は、昼の診察では軽い咳だけですが、夜にひどくなることが特徴です。初めは発熱やのどの痛みを伴ってかぜのような咳ですが、しだいに声がかすれてきて、夜に犬の遠吠えのようなケンケンというせきをするようになります。
- 二日間は苦しいせきが続きます。翌晩もコンコンとせきがでます。
昼の小児科診察時の症状は
- のどの痛み、イガイガするといいます。タンが絡むよりかも、喉頭が腫れることによることにおきる症状です。
- 乾いたせきが最初にでます。タンが絡むようでしたらむしろ気管支炎を考えましょう。
- 初めから声がでにくい、昼のゼ-ゼー(息を吸うとき)は入院でしょう。
夜になるとこれらの症状がさらにひどくなることがあり(昼の診察ではのどが赤い風邪でしょうと言われているが?)
- オットセイとか犬の遠吠えなどと言われるせきが特徴です。よく淡が絡むと、言われますが、これはたんが絡むことは少なく、
- 息を吸うときゼーゼーと音がする。
- 苦しくなると自分からおきあがることもあり、おきあがるとゼーゼーの音が少し改善する。
- 呼吸のたびに肋骨の間や鎖骨が凹むような呼吸困難(陥没呼吸)になる。ーー>救急受診ですね。【陥没呼吸はホームページの陥没呼吸を参照してください】
- 翌日の朝になるとせきが少し落ち着く。
【皆ひどくなるわけではありませんが、真夜中早朝に悪化するのが特徴です。】
急性喉頭炎の発作(クループ)は夜間に突然引き起こすことが多いです。朝まで待ってしまうと、ひどい場合は呼吸が止まってしまうおそれもあります。
救急にかかる時はクループが心配ですと伝えてください。呼吸困難で唇や顔の色が紫色になるチアノーゼを起こしたら、一刻を争う緊急事態ですから、すぐに病院に!救急車を呼んでもかまいません。
◆クループのせきです
ここでクループの昼、夜のせき、緊急を要するクループのせきの音を聞きましょう。
■昼の乾いたせき
■夜のクループのせき
息を吸う時「ゼーゼー」しますね。
■緊急を要するクループの呼吸困難
クループの多くはウイルスによって起こる病気なので、特効薬はありません。かん高い特有のせきが出たら、とにかく早めに受診してください。
昼に乾いたせきがでれば昼のうちにかりましょう。問題は夜の過ごし方です。
昼のゼーゼーは予防的に入院です。
- 発作が起きた場合は抱き上げて、たて抱きにしてせきが落ち着くまで待ちますゼーゼーが消えればいいですが、やはり夜でも救急に連絡です。
- ひどいせきと同時に、息を吸うときゼーゼーと音がしたら、それは呼吸困難を起こす前ぶれです。呼吸困難になって唇や顔の色が紫色になるチアノーゼを起こす可能性もあります。一刻を争う緊急事態です。
治療
- 喉頭の腫れを抑えるために血管収縮剤の吸入やステロイド大量服用(結構な量ですが1回だけですから、副作用は心配ありません)飲む時間も大事です。
- 夜間せきが強いときは抱き起す。
- 加湿器が勧められることがありますが、薬剤を使った医療用加湿器は効きますが、
最後に、風邪の症状がなく急な乾いたせきはピーナーツなどの豆類などの誤飲も時にあります。いわゆる異物誤飲ですね。