小児の便秘とおまる

皆様は、子供の便秘について悩んでおりませんか, 便秘の程度もそれぞれでしょうが、時に固いウンチで、肛門から出血したとか、でも先生は便秘をそれほど深刻に受け止めないかもしれません。とりあえず整腸剤で様子見ましょうと言われるくらいかもしれません。

小児の便秘と特徴は

子供の便秘は排便回数だけでなく、排便困難、便貯留に着目して便秘と診断します。

便秘が長引くと、便のたまりを感じる直腸をセンサーが鈍くなり、便意を感じなくなり、悪化すると便のすし詰め状態(便栓塞:ベンセンソク)になります。その結果、裂肛、出血などをおこし、浣腸への恐怖心から排便を我慢するようになり、さらに直腸が伸びて便秘の悪循環におちることになります。

子供の時の便秘を適切に対応しないと成人の便秘の可能性があります。

④23歳の時期のトイレトレーニングは、うまくいかない子が多い印象があります。これには最近のトイレ事情によるかもしれません。写真説明②を参考に。

便の固さと大きさの様子をクラス分けします。

排便日誌や薬の量、便の状態を記録することもあります。参考までに便の様子を分ける写真を載せます。

最後に、便秘はすぐ治るものではありません。薬の治療は長い時間を要します。便秘でお困りの方は当院で一度相談してください。尚、浣腸や便秘薬はくせになるものではありません。

写真①説明 

しばらくお薬をやめておりましたが、再度3日間排便がなく浣腸施行。サイズは10×15㎝の巨大な便です。1歳7か月の男です。
便栓塞といいます。たぶん直腸が拡張しているでしょう。

写真①

 

写真②説明 

トイレに座るときの注意です。
上の写真:台座をしないとお尻が落ち込み角度がつき排便しづらいです。
下の写真:足を置く台座があると,直腸と肛門の角度(直腸肛門角)がへり排便が楽になります。少し楽になりますが。

洋式トイレは足を置く足台が必要です。

写真⓶

十河 剛著 子供の便秘はこう診る 141ページより

”おまる”の利点です(洋式トイレよりも、うんちしやすいと思います)

上の写真のおまるは、両足を広げており、肛門が開きうまく排便しやすいです。また両手を持つとうまく排便できると思います。尚、このおまるは当院とは利益関係はありませんが、参考までに載せました。

おまるは「足がしっかり着いている」「足が前向きでなく横に開いている」

「両手をしっかりとつかんでいる」この姿勢が一番楽に排便しやすい姿勢です。

写真③説明 

便の固さと、便の大きさの分類です。
Bristol便スケールの分類です。便の理想は硬さは⓺か⓹です。
右は排便時の便の状況です。診察時にこれらを参考にすると便利です。

例:診察時に便は⓶で痛みがありⓟでした。といいますと正確です。

写真③