小児腸重積症
腸重積症は、小腸の一部が大腸にすべり込む病気です。はまり込んだ腸の一部は腸を閉塞させます。
- 【原 因】腸重積症の原因は分かっていませんが、ロタワクチン服用後になることもあります。
- 【症 状】
- 症状は突然発生する腹痛と嘔吐などで、1時間に数回にわたり現れたり消えたりして、その後に血便がみられることもあります。
- 年齢は主に、4カ月から1歳に多いです。
- 年長児は、腸に原因となるのものがあることがあります。
- 1.腹痛ないし不機嫌
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2.血便(浣腸を含む)イチゴゼリー状の便
- 3.腹部腫瘤ないし膨満(はまり込んだ腸が腫瘤となります)
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4.嘔吐、顔面蒼白
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5.ぐったりして不活発
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6.ショック状態(時間が経過すると)
- (イチゴゼリー状の便)
- 時間の経過によりイチゴゼリー状の便(血液と粘液の混じった便)を認めます。「泣き方がいつもと違う」「なんとなく元気がなくぐったりとしている」ということが大事です。
- 乳幼児で不機嫌、嘔吐があれば必ず腸重積症を鑑別におくことが大事です。
- 【診断】超音波検査で診断を確定できます。
- 腸が重なって見えます。
- 【痛みの特徴】
- 初期には“間欠的”な腹痛が特徴です。腹痛時、痛みを訴えられない子でも足を曲げて、足を「く」の字に曲げていて、顔面蒼白、しばらくすると15分~20分すると痛みがおさまり、普通になりますが、時間経過により痛みの時間が短縮します。
- 小児科医は腹痛と嘔吐を主訴に来院した乳児の場合は、必ず本症を念頭におくべきです。しかし最初から腹痛、嘔吐、血便の3症状を伴うことは少ないです。
- 【空 気 注 腸】
- 肛門から圧の高い空気を入れて腸重積症が修復されます。約5~10%の小児で再発がみられます。何か原因があるかもしれません。
- 【治 療】
- 空気注腸では、細いチューブから小児の直腸に空気を送り込んだ後、X線画像撮影します。通常は空気の圧力によって、はまり込んだ腸の一部が元の位置に押し戻されます。腸重積症は1~2日間は時に再発しやすいため、再び症状が現れないか小児の様子をよく観察するように親は助言されます。
- 手術適応は
- 1.腸穿孔の徴候がみられる
- 2.空気注腸を行っても腸重積が元に戻らない
- 3.腸重積の再発などがあります。
- これまでは希望者だけが接種するワクチン(任意ワクチン)でしたが、2020年10月より定期接種に採用されました。現在のところ接種希望者は年齢制限があります。
- 流行、感染の予防に効果があることは証明されておりますが、まれに起こるワクチンによると考えられている腸重積症について説明いたします。
- ロタ胃腸炎は冬の寒い時期に流行しており、脱水になり点滴をうけたり、重症になり入院することが多くみられました。まれに重症な脳炎などの合併症もおこしておりました。
- 初回接種が生後12週6日(生後3か月)より遅れて接種いたしますと、腸重積症が起きやすくなる可能性が示唆されています。
- 腸重積症は、接種後1週以内の発生が報告されています。
- また、その半分は初回接種後に発生します。20,000~100,000人に一人の割合で腸重積症が認められる
※本ワクチン接種後2週間以内に、反復する嘔吐と不機嫌、血便などが見られたら、12時間以内に医師を受診しましょう。
1) ワクチンの効果
①ロタウイルス胃腸炎の下痢予防効果は48%~68% の有効性②重症ロタウイルス胃腸炎の予防効果が認められており,脱水により入院を減らした。③まれに起こるロタ感染症の合併症を減らす。
ロタ胃腸炎の重症例、死亡例、入院例の増加などは考えると予防効果のメリットの方が腸重積症の発症のリスクをはるかに上回るため、予防接種を定期化にすることになりました。
2)ワクチンの 副反応
①易刺激性(ぐずりなど)7.3%②下痢3.5%③咳や鼻水3.3% を認めました。④まれに腸重積症の発症これらのことを充分にご理解いたして、まれに起こるリスクも考慮して接種されるようお願いたします。