帯状疱疹ワクチンの対象年齢は50歳以上です。
帯状疱疹は、小児期に水痘を感染後治癒してもウイルスが神経に感染しており潜伏しております。加齢により潜伏していたウイルスが、神経(神経根)から再感染して出現するのが帯状疱疹です。
これまでは、小児の予防接種の弱毒生ワクチの水痘ワクチン(生ワクチン)を帯状疱疹の発症予防用に使用しておりました。効果はそれほど悪くない印象です。
最近不活化ワクチンである商品名シンングリックス®が開発されて発売されました。
帯状疱疹の予防の必要性は、帯状疱疹感染後の神経痛が問題になる事があります。これ等の合併を予防する為にもワクチン接種が必要と考えられます。
それぞれの特徴を以下の表にまとめました。
弱毒性水痘ワクチン | シングリックス(R) | |
ワクチンの種類 |
生ワクチン | 不活性ワクチン |
発症予防効果 | 51.3% |
50歳以上で97.2% |
神経痛予防効果 | 66.5% | 88.8% |
長期予防効果 |
8~10年で効果消失 |
8年後での84.0%の有効率 |
副反応 |
局所反応・発熱 |
局所反応・筋肉痛(40%) |
接種してはいけない方 | ・妊娠していることが明らかな方 ・免疫力を抑える治療をしている方 ・一部の抗生剤にアレルギーがある方 (生ワクチンのために対象者が多い) |
アナフェラキシーのある方 |
費用 | 8,000円(1回) | 22,000円×2回(2ヶ月間隔) 合計44,000円 |
対象者 | 50歳以上 | 50歳以上 |
接種回数: 弱毒生水痘ワクチンは
「1回接種」で、シングリックス®は2カ月間隔で
「2回接種」です。
費用:(大まかな費用は医院に異なりますが) 弱毒生水痘ワクチンは
「8000円」・シングリックス®は「22000円×2回=44000円」。費用が高い
帯状疱疹ワクチンの効果は?
(7477人の長期間観察試験によるシングリックス®の長期予防効果を示した論文)
弱毒水痘生ワクチンとシングリックスの効果を比較すると「シングリックスの方が発症予防や神経痛予防効果にも優れ、長期に保たれる」といえます。帯状疱疹発症予防の効果はビケン製の弱毒水痘生ワクチンでは5年から8年程度、シングリックス®は8~9年以上持続すると報告されています。そのため、長期にわたって免疫力を持続させたいという場合はシングリックス®の方がよろしいです。でも価格面がネックです。一部地域では公費負担もあるようですが、江戸川区では未定です。